シャコシャコ?いや、キコキコ?
まぁ、どっちでもいいや。
そんな感じの音を出しながら、コンビニへと向う。
ワタクシ、 。
自転車をこいで。
巧みに今の自分の格好は
魂とかかれた黒Tシャツに(魂はもう燃え尽きていると思う)
短パン。
秋になって少し涼しくなったのは夜位で。
普通ならじりじりと日が照りつける。
女子が肌が焼ける、と言っていた(まぁ、私はそんなの気にしないんだけども)
「ん〜ん〜ん〜」
鼻歌を歌う。
何だったかなこの曲。
あー…っとLittle by Littleのシンクロだっけか。
この歌好きなんだよなぁ。
女子がこんな真夜中に出歩いていいのかとか、
課題やってないとか、
そういうのはあんまり気にしない。
オトン承諾したし(ちなみにウチのオトンはタンクトップ一枚とトランクスでダラダラと過ごすマダオだ)
(まるでダメなオヤジ、だ)。
ちょっとすると、緑と青の色が見える。
ファミマですぜ。
ちょっと漕ぐ距離を早くして、
コンビニへと向った。
*
ウィーンとドアが開いて、
あのチャイムっぽい音がする。
うるさいんだよね、アレ。
ちょっと冷えすぎな店内に鳥肌を立たせながら、
買うものを探す。
ビーフジャーキー(オトンのつまみ)
ジャンプ(弟の嫌味な頼み)(チクショウ帰ったら先に読んでネタバレしてやる)
アイス(家族全員の頼み)
んで、シャーペンシャー芯。
あのバカ弟がシャーペンを踏みやがった。
脆く繊細な女の子っぽいそれはいとも簡単に砕け散ったのだ。
ちゃっちゃっとお目当てのものを抱え、
レジにどさりと起き、財布をポッケから引っつかんで、お金を払う。
ありがとうございましたー、と言う声と共に
外に出た。
白いビニール袋。
コンビニにマイバックとかないんかい、などと思いながら、
自転車の籠に袋を放り込んだときだった。
「あ、」
前方からやってくる猫背な人。
柿本千種君。
あんだけキャラが濃いと覚えるんだよな〜
「やっ」
とりあえず片手を挙げて、挨拶。
何回か話したことあるし。
千種君は少し頭を下げた(頭のポンポンを触りたくなったのは秘密だ)。
「買いモン?」
「…うん(、だっけ)」
そうかそうかーといって頭を撫でてやりたい。
が、背のちっこい私には到底無理だと思う(千種君から見たら小さい)。
「そっか、じゃね」
そう言って自転車に跨ろうとした。
「ちょっと待って」
「?」
千種君は静止をかけ、店内へと急ぎ足で入った。
え、ちょ、これ、待ってればいいの?
しばらくすると、小さなレジ袋を持った千種君が出てきた。
眼鏡を上げながら、言う。
「危ないから、送ってく」
*
いやはや、彼の律儀さって言うのかそういうのはいつも一緒にいる…
あの、ほら、パイナップル(名前わかんないな)の教育?の賜物だと思う。
自転車を押しながら、のんびりと会話。
「何かってたの?」
「…」
突き出された袋の中には、シャーペンが入っていた。
あれ、私のと同じじゃん。
「私の買ったのと一緒だ」
「犬が踏んづけたから」
「あ、理由も一緒だ」
「…もそうなんだ」
少し笑う。
それから付け足してじゃなくてでいいよーと言った。
そういえば、まだ少し、
ほんの少しだけど、暑いのに、学ランとか大丈夫なんだろうか。
「暑くない?学ラン」
「別に」
「いいなぁ…」
私暑がりだから、ちょっと暑いと汗だらっだらなのである。
そうなるともうねとねとするんだもん。
黒曜のせ―ラー服らしき制服は(コスプレみたいだもんな)
ちょっと暑い。
ブレザーでいいじゃないの。
「早く冬とか来ないかな」
「…暑がりなんだ」
そうなんですよね〜。
冬恋。じゃない冬来い。
あ、そだ、
「いきなりですがぽんぽん触らせてもらえません?」
「…いいけど」
わーい!犬の肉球触る時と同じ嬉しさである。
「ふわ〜」
なんか癒される。
千種君このまま我が家にこないか。…それはないか。
「そういえば、城島くんと一緒に住んでるんだよね」
「…まぁ」
「いいな〜城島君か〜イヌ犬〜」
飼いものはごめんだけど、城島君ならありだな。
「手間かかるよ」
「え、うそ」
ああ見えてお手伝いとかするタイプだと思ってた!(てか私の表情読み取ったね千種君)
「なら」
千種君はどうだろうか。
そう思って声には出さずに横を向いた。
隣で無表情で黙々と歩く千種君。
その視線に気付いたのかこう言葉を返した。
「それはちょっとヤダ」
*
「送ってくれてありがとー!」
「ん」
家の前で別れる。
「あ、そだ、アイスあげるよ」
溶けるだろうから、食べながら帰りな、と言いながらガリガリ君を渡した。
「じゃあね、千種君」
「また明日、」
千種君が、ちょっと笑った。
ある日の帰り道
(なんかラッキー?)(さてと私もアイスくいながらジャンプ読むか)(たっだいまー!)
07.09.10 柿本企画
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